2020年の春、劇場版24作目として名探偵コナンの映画「緋色の弾丸」が控えています。
つい最近の安室ブームやUSJとのコラボなどを通じてファンになった人も多い作品ですが、第一作目から劇場に足を運んでいる人はどれくらいいるのでしょうか?
今回は名探偵コナンの劇場版記念すべき第一作目「時計じかけの摩天楼」を徹底レビューしていきます。

コナンの映画=爆弾はここから始まった
コナンの映画を何作か観ている人はご存知だと思いますが、びっくりするくらい爆弾が爆発するシーンが出てきます。
一体どこから調達しているんだという規模から、ちょっとした陽動作戦の爆発まで様々です。
コナンの原作ストーリーでは基本的に爆弾が使われるケースはほとんどありません。
しかし、劇場版=爆発というのはコナンファンにとっては当たり前となっているんです。
そのきっかけをつくったのは間違いなく「時計じかけの摩天楼」でした。
時計じかけの摩天楼のあらすじ
世界的建築家の森谷帝二から工藤新一宛にアフタヌーンパーティーの招待状が届けられます。
コナンの姿では出席できないため、蘭に代わりに出てもらうことを頼むコナン。
蘭は代わりに5月3日にオールナイトで映画に行く約束を提示します。
実は5月4日はコナンの誕生日。蘭は新一の好きな赤い色のポロシャツをプレゼントとして用意していました。
蘭「ねえ、新一は赤と青のどっちが好き?」
新「赤と青…何だよ突然? 」
蘭「いいから答えて 」
新「じゃあ…赤かな 」
蘭「赤?なーんだやっぱり赤か!私もそう言うと思ったよ♪ 」
新一(赤はオメーが好きな色だからな…)
森谷帝二の邸宅を訪れる小五郎、蘭、そしてコナンの3人。
森谷はイギリス古典建築のシンメトリーの魅力に取り憑かれた一流建築士でした。
森谷から出題されたクイズを見事正解したコナンは特別に邸宅内のギャラリーに案内されます。
このときさりげなく若い頃の自分は未熟だと吐露しています。
ここに今回の犯人である森谷帝二の犯行動機が隠されていました。
蘭との会話の中で森谷帝二は蘭と新一の映画の予定をちゃっかり聞き出してしまいます。
蘭「彼、私と同じで赤い色が好きなんです。それに5月は二人とも赤い色がラッキーカラーで!」
この言葉を聞いた森谷は残酷な発想を思いついたのでした。
ラジコンに仕掛けられた爆弾
阿笠博士の家で過ごしていたコナンに犯人からある電話がかかってきます。
森谷「工藤新一はいるか?」
阿笠博士「相手も変声期を使っているようじゃぞ」
そして、告げられる爆弾を仕掛けたというメッセージ。
緑地公園へスケボーで向かうコナン。
そこにはラジコンで遊んでいる歩美、光彦、元太。
このラジコンは見知らぬ男からもらったものでした。
元太は男が渡すときに「これは爆撃だ」と発していたといいます。
突如リモコンが壊れ暴走する爆弾付きのラジコン。
コナンはリモコンを蹴りあげ、ラジコンに命中させ破壊することに成功しました。
2個目の爆弾は「木の下」
ラジコンを破壊するとすかざず犯人から電話がかかってきます。
森谷「工藤新一はどうした」
コナン「(しまった)」
変声期を使い忘れる凡ミス。
2個めの爆弾はおばあさんが拾った猫が入れられていたケースの中。
しかし、おばあさんはタクシーに乗ってしまいます。
そこから、スケボー、そして少年から借りた自転車でおばあさんを乗せたタクシーまで追いつきます。
おばあさんから爆弾入のケースを預かると、タイマーはわずか25秒。
しかし、街中で防ぐすべがない。
ただ、一時的にタイマーが止まる現象が発生します。
それにより、空き地まで自転車を走らせて、なんとか被害を出さずにすみました。
しかし、爆風にのまれてコナンは気を失い、病院に運ばれました。
3回目の爆弾は電車の線路
犯人からすかさず爆弾を仕掛けたと連絡が入ります。
ヒントは「✗✗の✗」
午後4時を過ぎてから電車の時速が60キロを下回ると爆発。
そして、日没を過ぎて取り除けなくても爆発するといいます。
この爆弾は数秒の間ヒカリが当たらないと爆発するようになっていました。
通過する電車を貨物車両の線路に移動させることで、ヒカリが当たらなくなる時間をなくし、見つけ出すことに成功します。
そして、爆弾のひとつがある橋の上に仕掛けられたことにコナンが違和感を持ちました。
これは森谷帝二が設計した橋だったのです。
目暮警部たちは森谷帝二に恨みを抱く人物の線で動き出します。
森谷帝二の自宅で捜査を開始するコナンは犯人が森谷帝二であることに気づきます。
コナンが工藤新一として電話で推理を開始しますが、小五郎が白鳥を犯人とするすっとんきょうな推理で一時中断。
その後、見事にコナンが推理を展開してめでたしめでたし。
ではなく、ここからがクライマックス。
最後の爆弾は蘭と新一が映画を観る予定のタワーでした。
そして、蘭は今そこにいたのです。
急いで現場に向かうコナン。
森谷「工藤に会ったらこう言っておけ、お前のために3分間つくってやった。じっくり味わえとな」
現場に着くコナンですが、小規模の爆発でビルは停電し、瓦礫だらけ。
コナンは蘭のもとにたどり着けません。
瓦礫越しに蘭と会話をして、なんとか爆弾を蘭に解体するように促します。
蘭は順調にコードを切断していきますが、なぜか設計図に記載されていない2本のコードが残ってしまいます。
0時を迎えて、時間は残り3分。
ここで、蘭は新一にある言葉を伝えます。
蘭「新一、ハッピーバースデー、新一」
ここでコナンも最後の覚悟をします。
新一「切れよ、好きな色を切れ」
蘭「でもはずれてたら?」
新一「心配すんなおめえが切り終わるまでずっとここにいてやるからよ」
新一「死ぬときは一緒だぜ」
そして最後に蘭は青いコードを切り爆弾を止めます。
新一の大好きな色、運命の赤い糸、だからこそ切りたくなかった。
そんな蘭の乙女心が見えるラストになりました。
ちなみに森谷帝二ははじめて会った時の会話で赤に思い入れのある蘭はそちらのコードを選んで切ると予想していました。
見事にかわした蘭に拍手です!
犯人は初登場の白鳥刑事と森谷の2択だった
時計じかけの摩天楼はめぼしい犯人が2人しかいないので、正直爆弾犯は予想しやすいです。
とくに、森谷はシャーロック・ホームズシリーズの「モリアーティ教授」から取っているので、わかりやすかったですね!
しかし、ハラハラ・ドキドキさせる展開と斜めの切り口と言える動機づけ。
第一作目として完璧な作品だったと思います。
時計じかけの摩天楼はコナン映画の歴史を作った名作
いかがでしたでしょうか?
ミステリー要素がそこまでなかったですが、時計じかけの摩天楼は間違いなく傑作です。
コナン映画の中で一番好きという人が多いのもうなずけます。
最後の新一と蘭の駆け引きは数十年たった今でも忘れません。
コナン映画は毎年盛り上がるので、今年の「緋色の弾丸」にも注目です!
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